夜の落下【特典ペーパー付】
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夜の落下【特典ペーパー付】

麻生ミツ晃

抱くのは苦しくて、抱かれるに溺れる

ネタバレ
2021年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 母親が性的な事を嫌悪すると、子供が同性愛になることが…と言う記事をLGBTが世間に広まる以前に読んだ事があります。それが真実かは分かりませんが、受のリーマン誉はそうでした。血の繋がらない母親は敬虔なクリスチャンで性的な事に厳しく、嫌われたくなかった誉は健全に成長出来なかった。けれど、母親に結婚を視野に入れた女性を紹介され、S◯Xを教えてもらう為に、出張のサービスを頼みます。そこに来たのが、会社のインターン学生多田。お互い相手を認識しながら知らないふりをします。多田は感情が薄く強気で自分の欲を満たすため淡々とバイトをしていて、誉は人が良く穏やかな紳士です。誉は抱き方を教えてほしいとオーダーしたのですが、多田に抱かれる方へ持って行かれ、次第に欲が解放されて行きます。一方で、母親の勧める相手とも逃げ道を塞がれるように、進んで行ってます。誉の望みと母親のそれはイコールではない。多田は年下大学生ですが、誉の状況を理解し、結婚しても夜は自分のところに来て、両方手に入れればいいと言います。最初読んだ時は大人なんだなと思いましたが、ホントは力がなくて誉を繋ぎ止める方法がこれだったんだなぁと理解しました。結局、誉は自分が本当に望んだものだけ手に取ります。
誉が身体から多田に飲み込まれて行くので、エロが多いです。初めて見るお道具も出てきて、ちょっとびっくりしたり。
他一編と後書きあり。義兄に片想いの大学の先輩と貧血起こしやすい後輩の話です。星5は、表題作のみの評価です。絵は好みとは違いますが、二人の感情の機微がよく描かれていていい作品だなと思います。
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