ふたりのベッド
」のレビュー

ふたりのベッド

安西リカ/草間さかえ

初読み作家さん

ネタバレ
2021年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大学生の深水と家庭教師先の教え子・入江のお話。

実際ノンケの人が仲のいいゲイに告白されたらこんな感じなのでは?という深水の思考回路がリアルで好印象。
すぐにラブラブに突入する話も好きですが、こういうなかなか噛み合わないじれったい話も良いです。

とりあえず、入江の拒まれても拒まれても諦めない根性は凄い。
ただ、実際にこの状況が起きれば、一歩間違えればストーカーだし迷惑以外の何物でもないので、そこはフィクションの力で深水に受け入れてもらえて本当に良かったな、とw
ただ、深水は入江を受け入れられないならはっきり態度で示すべきで、正直拒むのに拒み切れていない態度に少々イラつく場面もありました。

個人的には表題作の深水視点より、続編の入江視点の方が面白かったです。
深水がノンケゆえに離れている間に正気を取り戻すのでは?と戦々恐々としている様が可愛らしい。
深水が入江が思っているよりもずっと入江のことが好きだと分かって、読者としても嬉しくなりました。
一度好きだと認めたらガッツリ受け入れる深水の男らしさも読んでいて気持ちが良い。

文章もスッキリ読みやすく、あとがきを読むとどうやら同級生か年下攻めしか書かない作家さんらしく、かなり私好みのようです。
今後も読んでいきたい作家さんの一人になりました。
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