この音とまれ!
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この音とまれ!

アミュー

名作です。

ネタバレ
2021年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初の方は辛い展開が続くんだけど、ヒロが入って更生してきたあたりから、段々面白くなっていって、本当に「友情って、青春っていいなあ」と思わされる作品になります。みんなそれぞれに辛い過去があって、でも筝曲部に入って皆で助け合うことで乗り越えて、後から関わってくる人たち(大人も含めて)をどんどん良い方に変えていく。13巻の天泣の演奏の場面は本当に美しくて、皆の表情が本当に良くて、読んでいるだけで泣いてしまいます。何度も読み返しましたが、読むたびに泣けます。この曲を通してさとわとお母さんも和解できたし、晶ももう一度琴と向き合えて兄とも仲直りできて、話ができすぎといえばそうなのですが、登場人物たちの言葉が本当に心にしみいるし、彼らの表情もすごくよく描かれているので、嘘くささやでき過ぎ感が全然なく、素直に感動します。新入生として入ってきた百谷と母が骨折をして家庭の事情からピンチになるミッツのやりとりも(まさかこの二人の絡みになるとは)もう本当に胸が熱くなりました。不器用で人と距離を置きたがる百谷がこんなにまで一生懸命しゃべってミッツのことを考えるとは。泣けます。全国大会直前の大山場で、宇月というメンヘラ男が出てきて愛を陥れようとしていますが(正確には愛が好き過ぎて、愛が他の仲間と幸せそうにしているのが気に食わないので、すべてを壊すことで愛を孤独にし愛を独り占めしようとしている)、筝曲部の皆で一丸となって闘い、宇月のことも更生してほしい!明陵だから時瀬筝曲部には入れないけど(笑)。絵がとても丁寧できれいで、しかも表情のかき分けがすごくうまいので、登場人物の細かな心情の違いが手に取るようにわかります。とにかく多くの人に読んでほしい作品。少年漫画カテゴリーですが、恋愛要素もいっぱいあるので、少女漫画好きにもおすすめです。個人的には、武蔵とヒロの仲が気になって夜も眠れないくらいです(笑)。武蔵は真面目なメガネとか言われているのに、発言がかっこよすぎてイケメン過ぎるし(いつも欲しい言葉をくれる!)、ヒロは登場時はあんなだったのに(過去のトラウマが原因とはいえ、何の関係もない筝曲部を壊しにくるとか人が悪すぎる)部活にも仲間にも熱い頑張り屋のお姉さんになってしまい、しかも武蔵の前では可愛すぎて「悟られないようにする」とか言ってるのに毎度気持ちが駄々洩れで、一刻も早く付き合ってほしい二人です(笑)。
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