Paradise Kiss
」のレビュー

Paradise Kiss

矢沢あい

かっこよくてオシャレで、切なくて美しい

ネタバレ
2021年7月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 映画を観たことがあり、原作のラストも同じだと思っていたので、衝撃だったし少しショックでした。でも時間をおいて冷静になってみると、映画はあのラストで違和感なく素敵だと思えたけれど、原作ではこのラストが一番自然で美しいと思えました。映画では二人のゴタゴタなどがあまり描かれてなかったし、ジョージのキャラも若干違った(映画の向井理さん演じるジョージは原作よりクールでまとも)と思うので、原作と映画は別物のような気もします。
お互いにどうしようもなく惹かれているけど、どうやってもうまくいかなくて、幸せにはなりえない二人でした。そしてそれをお互いに分かっていたのに、最後まで別れを口にする事はありませんでした。
ジョージの「一緒に来る?」という言葉。最初は紫を試してるのかと思ったけど、きっとあれは「ほんとうは不器用で寂しがり屋な」ジョージの本心だったのでしょう。でも紫の答えはやっぱり「正しい選択」だったと思います。
きっと紫は徳森君との方が穏やかで幸せな人生が送れると思います。でも身を焦がすほど愛して苦しんで幸せだった恋を一生忘れることはないでしょう。ジョージもきっと。
貸倉庫の鍵を開けるシーンは号泣しました。倉庫いっぱいのジョージの作品は、最大限の愛情表現だったと思います。
ハッピーエンド好きな私ですが、この作品はこのラストだからこそ素晴らしいと心から思えます。
夢物語のようで、要所要所に痛い程のリアルも感じさせる、矢沢先生の作品はやはり最高です!絵のキレイさ、上手さは言うまでもなく!素晴らしい作品でした!
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