わずかな読書時間で、すごく満たされる。





2021年7月29日
たった40ページの短編です。不憫で無力な12歳から物語は始まり、5年おきに進んでいきます。限られた文字数で、それでも脳裏にはありありと彼らの今の姿、今までの5年間の暮らしぶりが浮かびます。大した文章力だと思いました。
不憫な運命から逃げ出すように街を出て文字通り転落してゆくスコットと、苦しい生活から逃げ出さず家族を支えるうちに、ついには支える家族がいなくなっても生活から逃げ出せなくなっていったマルコ。
つらい展開が続くからこそ、冒頭の夜の、ふたりの健気さが何度でも輝きを放ち、切なくなります。
短い作品ですが、20年という時の流れを駆け足に感じることもなく、満足感たっぷりです。素晴らしい短編だと思います。
不憫な運命から逃げ出すように街を出て文字通り転落してゆくスコットと、苦しい生活から逃げ出さず家族を支えるうちに、ついには支える家族がいなくなっても生活から逃げ出せなくなっていったマルコ。
つらい展開が続くからこそ、冒頭の夜の、ふたりの健気さが何度でも輝きを放ち、切なくなります。
短い作品ですが、20年という時の流れを駆け足に感じることもなく、満足感たっぷりです。素晴らしい短編だと思います。

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