死神坊ちゃんと黒メイド
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死神坊ちゃんと黒メイド

イノウエ

完結まで読んでレビュー編集

ネタバレ
2021年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は、ただひたすらに坊ちゃんの境遇が悲し過ぎて泣きました。呪いが解けた時は、ただひたすらに「坊ちゃん良かったねぇ!!」って泣きました。
普通に愛されて育った後に呪いのせいで周囲の態度が激変し、忌むべき危険な存在として森の奥で離れて暮らしていた坊ちゃん。自暴自棄になり手の付けられなくなった坊ちゃんに、困り果てた執事のロブが呼び寄せたのがアリスです。最初はアリスを邪険にしていた坊ちゃんですが次第に絆され、アリスと共に前向きに生きていくことを決意。
その後は他人からひどい扱いを受けても怒るのではなく、呪いが解けたら仲良くなりたいとプラスのエネルギーに変え、呪い関係なく仲良くしてくれる人も次々と出てきました。誰に対しても誠実に付き合う坊ちゃんを、「すごいなー!」と思いながら読んでいました。シャーデーにまで友達になりたいと言い出した時は、「いやいや、こいつはやめといたほうがいいって!」と思いましたが、坊ちゃんは自分が苦しんだ分、他の誰にも愛されることを諦めて欲しくなかったんだろうなと思いました。
坊ちゃんの境遇が切な過ぎる設定ではありますが、物語は基本笑わせてもらいながら穏やかに進んでいきます。坊ちゃんとアリスの触れたら即死の緊張感あふれる寸止めスキンシップや個性的な脇キャラたちとの友情など見どころもいっぱい。割と淡々とした話運びにもかかわらず、最後まで飽きずに楽しむことができました。ラストも本当に爽やかで気持ちよく、この作品読んでよかったな~と思えました。
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