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水谷フーカ

不思議な魅力・・でした。

2021年7月30日
鉛筆のみで描かれた全編・・手描きの枠線・・全て味がありました。お話しの内容的にはDK三田と保志の、何の気なしの日常を描かれているのですが、ただ違うのは保志が「5億人に1人の確率で黄緑色の髪を持って生まれた」ということ。鉛筆描きだけれど、保志の髪と眼のみ黄緑色という2色づかいがインパクトがあり印象深いです。特殊設定だけれど、奇異な目で見られたりもするけれど、それについての保志の感情は一切描かれていません。あくまで三田の目線で進むお話しは何だか不思議な感覚に捉われます。
割とゆるゆるっと描かれていて、保志の、珍妙な味のドリンクを買わずにはいられない性格・・・地味に面白いです(^^;特殊な髪ゆえ友達はほぼ三田・・でも途中で愉快な仲間たちが増えて更に作品に面白みが増してゆきます。これってBL枠なのかな・・?っていう感じのゆるっとDKライフ・・時々切ない雰囲気。これといった結末は無いのですが、きっとこの先も三田は保志くんを瞬時に見つけられる・・・そんな、ほんのり温かい気持ちになります。

もう1作品。舞台が外国・・時代も少々昔でしょうか。「菜園モノクローム」も不思議な空気漂う作品で、お金持ちのお屋敷で暮らす、貰われてきたユギとスウの、役割がよく解らない位置関係・・・でも旦那様は「何もしなくていい」という。内容が割と間接的に解らせる感じのお話しなので、読み手は想像を膨らます・・・多少もやっとする部分もあるので好みは別れるかも知れませんが、2人の関係はこのまま永遠に続くのではないだろうか?ヴァンパイヤのように永遠に少年のままなんじゃないだろうか?などと思ってしまうくらい、幻想的な作品でした。
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