JOY
」のレビュー

JOY

絵津鼓

作者様の漫画愛を感じる最高な一冊です。

ネタバレ
2021年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。絵津鼓先生の心の叫びを、主人公たちが代弁したかのような(勝手な推測ですが)、漫画を描く事に対する情熱を感じた作品でした。描く事が好きで、描く事が楽しくて、まさに『JOY』な一冊です。漫画家さん同士の恋の話でもあり、漫画を愛してる二人のお話です。

少女漫画家の豪くんは、同じく漫画家の阿久根くんにアシスタントになってもらって、日夜あくせくと漫画を描いています。BL漫画の話が持ちかけられた豪くんは、阿久根くんに疑似片思いという設定で、体験を活かそうと……
疑似片思いの設定なんか考えなくても、無自覚に阿久根くんに心を寄せてしまう気がしました。豪くんの『誰も好きにならない』は傷つかない予防線張ってたのかと。豪くんの色んな後ろ向きな感情は、自分にもある事なので、リアルな事だなと切なくなりました。だけど、やっぱり人は人を求めてしまうものだし、自分の素直な感情のままでいいんじゃないかなと思います。だって好きなんだものね。
阿久根くんの優しさは、豪くんが惹かれていくには十分なもので、響の存在がいい役割になりました。響の豪くんへの当たりがきつくて、かなり辛辣な攻撃をしていたにも関わらず、阿久根くん以外に本命がいたのには驚きでした。えっ?あそこまで言っといて?みたいな…まぁ、阿久根くんを心配する気持ちはわかりますけどね。
豪くんのや阿久根くんの漫画に対する思いは熱くて、カッコ良かったです。
阿久根くんは、スマートな恋をしてそうで、意外に不器用なのかもしれないなぁ。豪くんが可愛くてたまらないはずなのに。やっとこさ、動き出したらもう終盤。でも、好きな豪くんを甘やかしそうで、勝手にドキドキしてます。

好きな事を楽しみながら、それが仕事であるなら、こんな幸せな事はない。漫画を描く事で、多くの人に夢とか癒しとか与えてくれる素晴らしいお仕事だと思います。全ての漫画家さんに、感謝を込めて『ありがとう』
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