真夏のサイレン
」のレビュー

真夏のサイレン

櫻川なろ

心の内は誰にも分からない

ネタバレ
2021年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ミステリー仕立ての作品だからネタバレ無しで読んだ方が楽しめる。


高校から親しくなった2組の幼馴染み、優弥&春海、遼&崇文。優弥の「告白する」宣言から事故死までに何があったのか。10年後の同窓会で三人がそれぞれ秘めた想いを語り始める。

冒頭は四人の高校での様子が描かれ、恋愛感情はそれほど明確に示されていない。誰が誰を好きなのか、分かりそうで分からない感じにドキドキした。

三人が過去を打ち明け始めると、人の行動、言葉一つでこんな風に拗れてしまうなんてと恐くなった。崇文が行動を起こして10年ぶりに三人で会うけれど、ここだけ少しモヤっとした。○年後に再会という設定は物語のセオリーとは言え、実際はかなり長い。崇文がもっと早く動いていたら読後感はもっと良かったかもしれない。

もし続編があるのならば、あの日、壊れてしまったもう1組の関係も修復してほしい。
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