盾の勇者の成り上がり
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盾の勇者の成り上がり

藍屋球/アネコユサギ/弥南せいら

面白いが話が進まない

2021年8月4日
現実の世界では全く冴えない平凡以下の男が異世界で大活躍。
在り来たりのストーリーのようだが、この手の話では通常、主人公が最初から理不尽に強いというまさに現実の世界で冴えない男どもが夢見るオタク好みの流れだが、最弱の存在から這い上がっていくというのは面白かった。世界観もよく出来ていて、現在発売されている巻まで何度も読み直したが大きく矛盾するような個所は見当たらない。主人公も愛と勇気と正義なんてのではなく、ひたすら人間不信の陰湿根暗ってのもいい。
ただし周囲が女ばかりで理不尽にモテるという、現実の世界では全くモテない男が妄想するよう流れは平凡。

全体的にバトルは迫力あるし少しずつ明かされる世界の謎も面白いんだけど、いかんせん話が全然進まない。自分達の世界すらいまだ混沌としているのに別の世界の勇者まで乱入して伏線の大放出。それで年に2.5冊ぐらいのペースかな?下手すると半年に1冊。こんなんで俺が生きている間に完結するのだろうか。

あくまで個人的な価値観だが、完結前に単行本や週刊誌・月刊誌を買って読むというのは、完成されたストーリーを楽しませるという役務提供に対する前払いだと思っている。完結して初めて商品として価値があり、その時点で前払した対価が実を結ぶ。
たとえばかの有名なベルセルクだって、どんなに面白くても完結しないと最初から知っていたら購入する人は半分もいないだろう。少なくとも私は購入しなかった。
この漫画もそうならないことを祈るが、どうなんだろ・・・
というか、面白いけど何年ももかけて読むほどではないのは間違いない。
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