カットオーバー・クライテリア
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カットオーバー・クライテリア

大麦こあら

かわいいうえに冴えている

ネタバレ
2021年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵柄がかわいらしいので立ち読みしてみたら、思っていたより会話のやりとりがテンポよく、面白そうだなと期待して購入しました。仕事シーンも、そして性描写もしっかり描かれていて、ちゃんとBLだった…!なにより、言葉の冴え方が良い。『設計もろくにしないまま書いたコードが、問題なく動いてるのは気持ち悪い』って……“幸せすぎてこわい”が、こんなふうに表現できるなんて、作家さん、言葉の扱いが冴え渡ってる…!悶えるところ違いますか、でも私は悶えました。“人生運用30年目にして訪れた大規模な更新ファイルは、ちょっと容量でかすぎ”とかね。思ってもみなかった相手に好かれた上に意外や受け入れてしまった自分への戸惑い。あと、萩原くんが瀬戸さんを好きになった(一目惚れした)理由がまたいい。顔だけじゃなく、いや顔だけでも十分な理由だとは思いますが、萩原くんの言う『瀬戸さんの書くコードは余計なものは限りなく目に入らないように整備されてて…(略)…衝撃を受けたんです。こんなに美しい言語を書く人がいるんだって。』という告白に、そりゃあ嬉しいよな…と私も一緒に『ありがとう…!』と言いたい気持ちでいっぱいになりました。登場人物みんないいな。人をイラつかせる天才(by瀬戸)の磯山さんが、クソ山と呼ばれても呼ばれてもへこたれないのが、なんか元気でます。なにがあっても幸せそうで。
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