夜明けの唄【単行本版】
」のレビュー

夜明けの唄【単行本版】

ユノイチカ

とても愛しさが溢れる作品です

ネタバレ
2021年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず世界観がとても素敵です。ファンタジーであるがゆえに現代ものとはちがった、想い合うことへのたくさんの見えない鎖があり、エルヴァ様には幸せになってくれ…と思わざるをえません。アルトの一途な想いが、エルヴァ様に少しでも幸せな未来というものを与えてあげて欲しいです。
アルトとエルヴァが出会った時にはアルトの方が小さかったのに、8年後にはアルトのほうが身体も大きくなり体格差が個人的にとてもとても性癖に刺さります。犬のように懐くアルトを可愛がっているエルヴァ様、エルヴァ様への好意を抱きながらエルヴァ様の元に通い続けるアルト。はい。好きです(私が)。もうーーはやくくっつけよ…と顔を覆いながらことあるごとに読み返しています。
1巻で好きなシーンはアルトが溢れる想いから酒に酔いながらもエルヴァ様へキスをするシーン。立場上、人から向けられる好意に慣れないエルヴァ様が、じわじわとアルトのキスとその意味を思い出してはもんもんと悩んでる姿が愛らしいです。そうだよね、人からキスされることも、抱き締められることも、かんなぎになってからはアルトが初めてでしょう…。しっかり受け止めな…貰って良い愛情なんだよ…自分の未来にほんのわずかでもそういった普通の幸福を願うことくらい許される世界であって欲しいと、どうしても思ってしまいます。(エルヴァ様は立場上必要ないと思っているようですが…)
アルトはアルトで、エルヴァ様のために出来ることをやろうと奮闘する姿、そしてけれど正義感と思いやりをきちんと持った良い子なので(そして若いがゆえに経験値が低いので)エルヴァ様とはまた違ったいろんなことが鎖になっている気がします。
はやくくっつけよ(2回目)と思う自分を抑えつつ、そういった様々なことを考え、経験し紡いでいく2人とその周りの人々とのお話をゆっくりじっくり見守っていきたいと思います。とっても素敵な作品に出会えて幸せです!!
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!