amato amaro
」のレビュー

amato amaro

basso

余韻の残し方が、心を離してくれません。

ネタバレ
2021年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ第2弾です。各話のタイトルが、舌を噛みそうなイタリア語。口に出して読まないけど、舌を噛みそうです。舌巻いて喋る感じ(笑)

前半は表題作を含む3話分のストーリー。経済学者のヴィットーリオの論文が極左グループの目にとまり、脅迫されてボディガードとしてアルマンドをつける事に…
淡々として展開しながらも、何故か色気を感じる雰囲気のストーリー。ヴィットーリオが醸し出すものなのか、アルマンドを誘うような空気感にドキドキ。静かな駆け引きが見え隠れしそうな、大人の恋が素敵です。もう少し見てみたい二人でした。合間に、メディア王がヴィットーリオの脅迫の件を知らなかった怒りが描かれていて、こちらは怒れるほどの友情で、また違う趣きがいいんです。うん。

後の短編がねぇ、これまたいいんです。背中がくすぐったいちょっとした恋だとか、これから何かが始まるかもしれない余韻を楽しむショートストーリーです。双子のお話が、複雑な心境なんですけど、はぁ!そういう事かと、やっぱり上手いわ、basso先生。パチパチパチパチパチ~。
前作にも登場したジェラート好きな3人組。へこみそうな出来事に、何も語らない三人。それぞれに大好きなジェラートをそっと差し出す店主の心意気。温かくなるショートもいいですねぇ。
何故か、どの作品もレビュー数が少ないのが寂しいです。独特なので、好き嫌いが分かれるんでしょね。シンプルな中に、ドラマがあるんですけどねぇ。今作品も、好きでした!
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