ロマンティック上等
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ロマンティック上等

森世

すべてのキャラクターが尊いオメガバース

2021年8月17日
これほど読む人を考えさせるオメガバースは今までなかった。オメガバース漫画好きで、多分100シリーズは読んでますが、その中でも一二を争うマイベスト。無駄なキャラが一人もいない。
Ωの計は、打算的で誘い受なビ*チだけど、自分の幸せは何かを賢明に考えていて、多くのオメガバースに出てくる、αの王子様に連れ去られるΩではないのがいいところ。
βの次継は、そんな計のそばを離れず大切にしている、ナイトのようなお方。計の幸せを願って一旦は身を引くが、いざというときはどんな手を使ってでも計を助けに行く男気が素敵でした。
αの駅人は、多分次男以下なのでしょう、結婚もせず「Ωのハーレム作って子供産ませまくってjリーグ牛耳る」とかとんでもないことを計画できる自由と金と立場があり、番関係や愛について随分と冷めた考えを持ってました。
この作品を読んで感じたのは、幸せになるために必要なのは、素直さ、そして勇敢であること。計と次継はラストでそれを出せたから幸せになれたのです。それらを踏まえて、与えられすぎ、持ちすぎて素直さも勇気も出せなくなってしまった駅人の、「(俺じゃもう無理なんだ。)計ちゃんたちが特別なんだよ」という悲しいセリフ。「あいとまこと」の千賀兄弟の、恵まれてる故の孤独がまさにそれでしょう。えっきー(笑)を救ってくれる次継ポジションの人が現れますように。
ちなみに、彼らの名前には作者さんなりのユーモアがある気がします。
計:計画的な「計」。
次継:次に繋ぐ、つまりこいつと計との間に生まれる子供を示唆?
駅人:駅→港港に女ありを連想させます。ハーレムの王様って意味。
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