僕たちがやりました
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僕たちがやりました

金城宗幸/荒木光

何度読んでも面白い

ネタバレ
2021年8月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「そこそこクズ」だけど「ものすごく下衆」なわけじゃない高校生たちと「パイセン」による事件と顛末、未来。気になるのはこの作品に出て来る大人達が全員、事なかれ主義で愚かなこと。トビオの闇を見ようともしない母親。何かに気付きながら見過ごす教師。パイセンに対して無責任かつ残酷な父親。全てを知りトビオたちを追い詰めておきながら土壇場で保身に走り「何もなかった」を通そうとする刑事。自分が危険を冒してまで子供たちを救おうなんてさらさら考えてない、大人たちもまた「ものすごく悪い」わけじゃないけど「そこそこクズ」。最終的には、何の責任も感じず一人勝ちするマル、それなりに生活立て直してる伊佐美とパイセン、不幸にならずに済んだ女の子たち、それらと対照的に闇に飲まれたままのトビオが印象的。
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