毒を喰らわば皿まで
」のレビュー

毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

たまらない

ネタバレ
2021年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は細々した設定や、登場人物達ひとりひとりを追うダラダラした小説かと思いきや、緩急のついた深みのある素晴らしい作品でした。挿絵のない作品でしたが、これほどまでに壮大な情景を思い起こさせられたBLはなかなか無いかと思います。
主人公には始め愛のないただの策士かと思わされていましたが、なんとも深く切なく締め付けられるような愛を感じさせられました。直接的な主人公の愛の描写はなかったかと思いますが、傍から見て溢れんばかりの愛が見て受け取れました。それは他の登場人物も同じでした。
何故主人公がそうしたのか、その結末を望んだのか、私には本意はわかりませんでしたが、ゲームの中だということでは、クリアすること、そして設定を覆すことのできる登場人物になれたということで身の振り方を決めたのかと思います。そして愛に溢れた結末に行き着くこととなった。全く王道ではないストーリーに読んだ誰もが心揺さぶられ引きつけられる作品でした。
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