このレビューはネタバレを含みます▼
拗らせてました!でも、愛に溢れてました。読後感がほっこりあったかくて、にんまりします(^^)
年齢も年齢だし、音信不通だった期間も長かったしで、2人が意地の張り合いをしてしまうのも、今さら的に心の内を話せないのも、それなのに、突っかかるようにしてでもつながっていたい、スキンシップを取りたい気持ちも分かります。まことに、もどかしい! じれったい!! 読んでる方は、そのジレンマを楽しませていただきましたが (*´艸`) 長い間2人を見守ってきた村井さんと実くんは、ヤキモキが過ぎたかもですね。ホント良い方たちだな~。2人を取り囲む方たちの雰囲気が良いのも、この作品の魅力ではないかと。
2人のすれちがいは、2人が2人とも言葉足らずだったからなのですが、その理由がなんとも唸る。2人とも、相手の台詞が理由。お互いに好きなのに、ひと言も「好きだ」と伝えてないことに原因が。
便利屋の社長になり、道也のピンチにすっ飛んで行って借金の肩代わりをした薫は分かりやすく、ずっと道也を想っていたのだろうし、外見からは想像しにくいですが、かなり健気で一途な男性かと。
対する道也も薫に「その人彼女か?」とたったひと言、聞けば良かった。それなのに黙って逃げたのは、薫が好き過ぎて真相を知るのが恐くて、真実に蓋をしてしまいたかったから。自分の願いを口にせず、再会してからの8年の間も真相を問う勇気もなく、また再び薫にちらつく女性の影に怯えると言う…。道也、薫のことが、ずっとずっと好きだったんじゃん…。そう思うと切なかったです。
2人のポリシーと言いますか、もはや性格と言いますか、よく目にするラブラブ甘々なラストではなかったですが、2人らしいハピエンで、うんうん(*´艸`)とほっこりしました。
ストーリーとは別に、この作者様の細部に渡る描写力に頭が下がります。冒頭に出てくる貧乏具合いの説明の中で出てきた空調。古い! 年代物です(^^) これ、茶色と黒のヤツだよ~と思っていたら、なんとラストは、今時のエアコンに買い換え。作品に奥行きの深さを感じました (^^) お見それ致しました!