猫の笑う、幸せの棲家【イラストあり】
」のレビュー

猫の笑う、幸せの棲家【イラストあり】

綾ちはる/みずかねりょう

良いのだが…

ネタバレ
2021年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さま買いです。まだ読むのは2作目です。
以前読んだ本がとても良かったので期待し過ぎてしまいました。
表紙やタイトルから普通の現代のBLっぽいですが、猫のあやかしと不思議な力を持つ人間のファンタジーBLです。
猫のあやかしの焔の一途さが健気で切ない。
頭スリスリとか甘えん坊タイプの猫っぽい甘え方が堪らなく好きです。
人間の幸成が特殊な力とその生い立ちから焔と出逢うまでは危ない仕事をして刹那的な生き方をしているのですが、仕方ないとはいえその頃の幸成はやっぱり好きになれません。
その後の焔との不思議な共同生活に温かな幸せを感じる幸成と焔にこちらもほんわかとした気持ちになります。
お互い好きのベクトルが親愛なのか友愛なのか恋愛の意味での好きなのか戸惑いつつもお互いのない人生は考えられない幸成と焔の心の結びつきにグッときます。
それでも評価を下げたのは幸成の陰の部分、危ない仕事を執拗に依頼する日笠の存在や祖父の敬三や母の幸恵の「大事なことを伝えない」事にもやもやしたから。
特に幸恵はもっとちゃんと遺言を幸成に残せば自分と同じ目に合わせることはなかったのに。
Hは少なめですが、ラストの展開は好きです。
あと冒頭に完全に朝チュンですがモブ(と言っていいのかな?)の女性と幸成との絡みがあるので生理的に嫌な方はご注意ください。
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