冬知らずの恋
」のレビュー

冬知らずの恋

夏野寛子

冬知らずは、真冬も咲く強い花

ネタバレ
2021年9月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みをした時、絵が少し苦手かなと思いましたが、ストーリーが気になって購入した作品。作品も面白かったし、好きな作家さんになりました。
同い年の従兄弟、アパートのお隣さん同士。受の愁人と攻の千紘。愁人はゲイであること、千紘を好きだと自覚してますが、千紘の気持ちはよくわからないところから始まります。千紘は夜な夜な愁人のベッドに潜り込んでくるけれど、彼女がいてする事してます。でも、愁人の気持ちを知ってからの態度豹変が早かったので、無自覚だっただけなのかも。
愁人は母子家庭で、お母さんとのやりとりが度々あります。お母さんは息子の事を知っていて、どう接していいのか分からない、、、状態のようです。お母さんの葛藤が沁みます。
ストーリーは、二人の関係において、さらっと進んで行きます。でも、爽やかさの中に艶かしさの混在する絵で、アパートの背景も作品に色を添えています。BLらしいラブの中に、お母さんのリアル。それぞれの気持ちが落ち着く未来はどういう形なのか、見てみたいです。
冬知らずは小さな黄色の花で、花言葉は別れの悲しみ、、とか苦しい感じのものが多かったです。お母さんの花だし、これはお母さんの気持ちに沿っているのかな。
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