初恋、カタルシス。
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初恋、カタルシス。

鳩川ぬこ

じわじわと涙が溢れる

2021年9月2日
BLを読んでいると、自分が知らなかった性や悩みを知るきっかけが度々あります。この作品もその1つ。お話のピークから始まり、その真意を少しずつ紐解いて中心に触れていく…読み始めは「あぁ、ちょっとした解釈のズレから上手くいかなかったのかな」と思いながら読んでいましたが、いっきくんが抱えていたものは思っていた以上にとても重くて硬い、簡単にはほどけないどうしようもないものでした。その真ん中に迫っていくにつれ、じわじわ涙が溢れてきました。そして他人の「自称親切」から来る適当な言葉は、少しずつ心を押し潰していく。私も読んでいて一緒に押し潰される気持ちになりました。でも何気ない2人の日常が友達カップルのような、気さくな関係が心をほっこりさせてくれます。時間はかかっても居心地の良い関係を築けたら…幸せになってほしいなと思います。
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