YES IT’S ME
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YES IT’S ME

ヤマシタトモコ

全部描いてある必要はないのね

ネタバレ
2021年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ ブロマンスからロマンスに、行くのか行かないのか揺れる短編集です。もう大好き。
個人的に、おすすめは6個めのお話「夢は夜ひらく」です。
1.美大生cp。メガネの沼上は天才肌の馬原から向けられる「好き」の気持ちが心地悪い。馬原の才能に嫉妬?引け目?
2.DK。行方不明の同級生女子を探しに行く話。これは刺さるヤマシタ節です。
3.オケのピアニストとチェロ奏者。大人の複雑さ。ぐぬぬ。。。
4.表題作です。モテ男トーマスと、冴えないエノキ。幼なじみのこの2人、大人になってベンチャーを立ち上げたところでエノキとトーマスの力関係は逆転。トーマスは自分が1番好きなんだけど、なんだこのモダモダ感?
5.短い!でもこういう日常切り取ったひとコマが好きです。あとがき読むと、この作品なんかニヤっとしちゃいますね。
6.「夢は夜ひらく」この作品、涙が出ました。男だから、女だから。それがなんなの?怒りと悲しみと愛しさが一気に。突きつけられた、「あなたは?」という問いに自分を振り返ってしまいます。すごい。
その先は続きの話がちょこちょこ。最後に作品について、BGMなんかも書いてあるページが楽しい。
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