このレビューはネタバレを含みます▼
前作で2人の絆が深まり、同棲を始め順調な毎日。
かと思いきや、今度は高梨が単身赴任で遠距離に…それを機にさらにお互いを想う気持ちが強くなる場面もありつつ…
チカさんの、ゲイに絡んだ親との確執問題、傷心で高梨に会いに行くも、そのタイミングで高梨からの無意識に発せられた「子ども」発言。追い討ちをかけるように、約束していた高梨が来られず…とすれ違ってしまい…
ここまで来たけど、恋の果ては行き止まりで、それ以上は進めないんだ、と自分は親にも恋人にも何も与えられないんだと絶望するチカさんが本当に痛々しくて涙なしには読めなかった。
ただ、それでも高梨はぶれずに真っ直ぐで!
本社に戻ってから、チカさんの気持ちが解れるように「一緒にいよう」静かに寄り添っていたのがよかった。
チカさんが“与えられない”と思ってたことは高梨にとって望んでいることではなくて、ただ一緒に何気ない毎日を過ごすこと、それが望みであり幸せなんですよね。
行き止まりじゃなかった辿り着いた2人の恋の果て…それが最後の「俺と彼氏の平日の話」にぎゅっとつまってます。
とにかく一冊まるっと泣けて泣けて…
イルカの人形探しに行くとこ、ケータイのメッセージ一気に受信したとこ、チカさんの実家に行くとこ(もうここはヤバい泣)…など、盛大に台詞と共にネタバラシしたいくらいの気持ちですが、特に実家に挨拶の場面はネタバレなしで読んでいただきたいので!
魅力的なキャラクター達とともに、こんなに切なくて幸せな気持ちを味わせてくれて、この作品に出会えて本当によかったです!!
何度も読み返してしまう作品に登録です。