このレビューはネタバレを含みます▼
リアリストだけど面倒見のいい警察官の岳(28才)×純情一途な王子様のアシェル(19才)。満月の夜に「願いの泉」に落ちてまた満月の夜に戻ってきたという曾祖父の手記を読んだアシェルは、婚礼の儀を迎える前に一度でいいから本気の恋がしたいと願ってお供のシマリスのピムと岳の風呂場にたどり着きます。作中でも新型ウイルスが蔓延し、やっと収束してきたという設定で作者様が「お話の中くらいとことん憂いのない多幸感しかない」「現実離れした甘くて夢のあるメルヘンラブコメ」を、とあとがきで書かれているようにおもしろくてかわいくてほっこりするお話でした。真面目で誠実そうな警察官に金髪碧眼のノーブルな王子様、麻々原先生のイラストがとてもいいですね。品があります。文章にベストマッチしています。そしてお供のピムがすごくいい働きをしていました。存在自体かわいいです。好き。ミラクル展開もありまして、もうちょいピンチがあってもと思いますが、楽しく読めたので星5で。
2021年7月 総228ページ 挿絵あり。