ホーキーベカコン
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ホーキーベカコン

笹倉綾人/谷崎潤一郎『春琴抄』より/Mint

読む度に見えてくるものがある漫画

ネタバレ
2021年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 谷崎潤一郎の春琴抄をベースに漫画にしたもの。
あくまで春琴抄そのままを漫画化ではなく「ベース」にしてます。でも谷崎の耽美さ、行き過ぎた女性信仰の描写は申し分ない。

最後まで見た感想として、この物語は春琴と佐助の話がメインではなく、その伝を見聞きし想像した私(順市)が自分にトレースしつつ物語を描くまでの補填過程を描いた話です。

谷崎潤一郎は過激な女性愛で有名ですので、作家や恋人としての人格(順市)と女性を信仰するがゆえの女性を理解する人格(長髪着物姿のキャラ)
そして語り部の春琴伝作者を想像力で作り出し、耽美ながらも悍ましくも思う真相を補填する……佐助と種類が違いつつも同じ部類の男だということが分かります。

この作者さんで痴人の愛とかほかの谷崎潤一郎作品の漫画化してくれないかなぁ
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