羽化(メタモル)
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羽化(メタモル)

赤河左岸

あなたが何者でも

ネタバレ
2021年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 好きな作者さんのデビュー作。評価が割れていたので手が伸びなかったのですが、新刊発売のセールで読んでみました。
あさひの葛藤や口に出せない切ない思いなど、少年らしい純粋さとひたむきさが光ってました。最後も種別も肩書きも関係ない、愛さえあれば何者でもという結論がすごく素敵だったし胸に響きました。
ただアルが保護者的な思いから、いつどこで種族も性別も超えるほどの想いを抱いたのかがよくわからなかったので、その辺りのエピソードがもう少しあったら良かったなぁと思いました。
2人のキャラもいいし設定も面白いのですが、いろんな人の思いを描き出した割にはさらりと纏まってしまったという印象だったので、もう一歩踏み込んで描いて欲しかったと思いました。
併録の短編はすごく短いのですが、印象に残る作品でした。羊ちゃんが可愛くて何かが始まりそうな異種カップルにドキドキ。不思議でねっとりとした雰囲気がとても好きでした。
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