このレビューはネタバレを含みます▼
以前フォローさんのレビューにあがっていたので、ずっとお気に入りに入れていました。大学生になってできた親友に同性の恋人ができるというお話。親友として一緒に遊んでいる時にはなかった感情が、同性の恋人の出現により沸き上がってくるというもの。これって何だろうって考えてしまいます。いつもベッタリ一緒にいたなら、自分がその友達の一番じゃなくなるのは寂しいって感情はわかります。でも、そこから友情が恋情に変わったりするもんなのか?佐久間くんは元々無意識下に好きという感情があったけど失うことによって自覚させられたのかな、なんて考えてしまいます。ただ、友情も恋情も相手に対して好意はあるわけで、その違いって何だろうとも考えます。親友に同性の恋人ができたことはないけど、私の場合だったらないだろうなと思います。ましてや三角関係なんかになるとたぶん自分が身を引いてしまうだろうなとも思います。この作品の登場人物はみんな優しいから、激しく奪い合いなんかやってないし、それぞれ想いはあったと思うけど、(佐久間くんにとって)うまい具合にことが流れていったのかなと思います。三人それぞれの立場で考えると、なかなか複雑な心理状態が描かれていて、読んでて面白みを感じました。三人ともいい人だから角がまるいんですよねー、でも三角関係になってしまうんですよねー。ホント複雑な心境です。それと、この本編とあとがきのギャップも面白かったです。そういう感じの作者様なんだと思って、他の作品も読んでみたくなりました。第5話表紙のやる気のない藤井くんの目、笑えますね。