このレビューはネタバレを含みます▼
他の方のレビューを読んで、どんな悲惨なラストなのかと覚悟して読んだせいか。いやいや確かに明るい話ではないけれど希望の光が視えるよな、と思いました。唐突に出現したサンタクロースに翼は「五百利の命を助けるために、自分が存在した記憶を消してサンタとして生きるか。」と問われると迷わず「五百利のいない世界はいらない!」と即答します。
三十年間サンタとしてあり続けなければ願いはかなわないと言われます。翼は全くの別人として、身を挺して五百利を危険から守ります。繰り返す苦痛に耐えて。もう無償の愛ですね。五百利が生きて、幸せであればそれでいいと。
でも希望の光も見えます。30年間サンタとして過ごせはその後は自由って事じゃないですか。記憶を消されても五百里は翼の記憶の欠片を持ち続けてその影を追っています。いつかはまた二人で幸せになれるかもしれません。
10年サンタをやり遂げたご褒美プレゼントに翼がもらったプレゼントは幸せだった過去に一時だけ戻れる夢?の世界。
花畑の中で泣きながら幸せな夢を見て眠る翼の姿に涙が止まりませんでした。理不尽な運命に弄ばれたふたりに、いつか幸せが訪れることを願っています。