文学情緒





2021年9月16日
ここのつ先生の作品は、なびかないシリーズも読んでますが、こちらは、しっとりとしたリーマンものです。ここのつ先生らしいギャグっぽいところもありますが、全体的にシリアスです。過去に捕らわれている外面のいいバイ攻め×純朴真面目地味受け。基本、攻め目線で、お話は両片思いから始まっています。「盗作」で新人賞をとってしまったことを、「許された」ことによって、罪悪感の逃げ場を失い、抱え続ける、攻め。いじめを受けていた頃、その作品に救われて生きてきた受け。その二人が、同期入社で出会い、友達から恋人へ、攻めの凍土を溶かすまでのお話です。終始、桜が、心情や時間、気持ちの流れなどを表すのに使われていて、美しい作品です。最後に、お兄さんの手紙のような小説作品、攻めの凍土をとかしてようやく咲いた花の下、うまく表現されていて美しく、当て馬が登場するタイプのものではないので、すっきりと読み終えました。ただ、キャラなのでしょうが、同期なのに、受けが終始敬語使いなのが、気になってしまいました。

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佐倉 さん
(-/50代) 総レビュー数:83件
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cynthia さん
(女性/30代) 総レビュー数:1件