薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】
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薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】

中村明日美子

感情と思考がぐるぐるする

ネタバレ
2021年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無駄のない台詞まわしと、薫り立つような官能、背徳、エロスを圧倒的な絵によって表現されていました。
歪んだ形でしか愛し合えなかった兄と弟。
張り詰めていた世界観の中、お兄さんのあの笑顔によって、優しい風のようなものを感じました。
果たしてお兄さんは事故だったのかそうじゃないのか判らないままですが、これがベストだったんですかね。。
残された竹蔵にとっても、手紙にて兄の愛を知り、そこでやっと兄に対して犯した過ちへの苦しみや、亡き兄に囚われて動けなくなってしまった自身の心から解放され、初めて2人の愛が成就したのでしょうか。。
眼帯男がホームレスになって再度登場していたのは何故?
そして、要くん。彼ですよね。。
いち早く竹蔵の想いを察知し、竹蔵を煽り、事の発端の手助けをし、交わり、模倣する。
歪んだ愛に魅せられ囚われる事で、自身もまたある種の解放になるのだろうか。。
まだまだ解釈が追いつかず、ページを行きつ戻りつしながらも、唯一、お兄さんのあの笑顔に、私の感情が救われたのだけは理解できました。
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