このレビューはネタバレを含みます▼
『これから俺は後輩に~』で佳門サエコ先生を知り、義理の息子シリーズと迷ってこちらを購入しました。バレエBL自体は初めてではなかったものの、しっとりとした色気のある絵のタッチとバレエタイツの親和性にまず感動。設定や下調べがすごく丁寧であると感じ、物語にもすんなり入り込めました。
いまや業界のレジェンド的存在で温厚な人柄の「黒の王子」弘也(受)が実は大きな悲しみを抱えていて切ない。おそらくかなり大人なのに笑顔があどけなくて可愛かったり、ラブシーンでは少年のような初々しい顔を見せたりとギャップに萌えます。何よりあの公演での「目」……若き白の王子・亮平(攻)との出会いがあって、一度は降りたはずの表舞台に確かに戻ってきたのだと感じさせる本気の眼の力がすごかった。弘也の初日が終わった後、やっぱり自分はまだ憧れの人には追いつけてないのだと悔しがって筋トレしてる亮平もよかったですね。公演シーンはただただ美しく、ずっと見ていたい夢のような読書体験でした。
そして期待を裏切らないエロ……本編もさることながら後日談のベッドのアレは本当に「何て事言うんですか!」としか言えなくて最高(笑)
一冊まるまるこのお話ではなくて若干物足りなさも感じたので、続編を強く強く希望します。本当にもっと読みたいです……!!