天は赤い河のほとり
」のレビュー

天は赤い河のほとり

篠原千絵

殿堂入り⭐︎

ネタバレ
2021年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 紙コミックも持ってます。むかし「十分に堪能したから」と手放し、数年経つと読みたくなり買い直す。「手放しては買い直す」このサイクルを3回位繰り返して、もう手放すことを諦めました。ww
壮大な歴史漫画であり少女漫画。恋愛要素はしっかりあり。そこにかつての文明や取り戻せない時の無常さなどが合間って、無性に切なく心惹かれた。
ちょっとHな描写は多いけど、その行為すら子孫を残し王位継承のため、国の繁栄のためとかと直結で、責務の多妻婚と唯一愛する者への間で揺れる切なさがあったり。
ライバル国の王子ラムセスがまた最高。ただ野心的なだけでなく、王位を狙うに見合った才能と資質。強引なくせに、時折見せるやさしさ、野性的な外見。たとえユーリ(主人公カイル王子が溺愛する妃)が敵国の将(カイル)の子供を妊娠していても「あいつの子供なら優秀だろう。安心して産め」と、恋心を超えて王の目線。ユーリが妊娠していようと構わず、彼女自身の「王の隣に立つ素質」の価値を認めて欲しがる。ラムセスの器のデカさよ。かっこ良すぎる!彼に何度萌えたことか!
個人ではどうにもできない部族間や国の感情、政治的なやりとり。歴史が苦手な私のようなものでも、その壮大な規模感をわかった気になって(笑)楽しめます。
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