苦いのテーマ
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苦いのテーマ

阿部あかね

過去最高に痛くて震えました

ネタバレ
2021年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 阿部あかね先生が好きで痛いのも大好きなんですごく期待して挑みました。
結果、…はぁ〜〜〜、期待以上!!
痛くて痛くて、読後ずっと心が震えています。
このお話以上に残酷で過酷で救いのないお話を数多く読んできましたが、こんなにダイレクトに心臓を絞られたような痛みは初めてです。
まず、夏樹が浮気に至るまでの経緯が緻密に描かれています。
1番は愛に慣れ過ぎ。それから不安定な精神状態。代表が性格も身体も(tnkも)サイコーなイイ男。初キャンプは一人で参加決定。新は新歓で楽しそう。苦手な代表に醜態を晒す。苦手なモツを食べることができた(代表と一緒に)。代表が優しい1回目(もうこの辺りでフラグ立ちまくりです)。海に落ちてダダ下がる。代表の好きな人が男だと知る。借りた布団が代表の香りがした。代表が優しい2回目→誘う→ヤる→長くて太くてすっごいキモチー→あとは雪崩のように盛る。
ここまでで約半分ですよ。もう痛いですよ。この辺りでいったん深呼吸しました。修羅場を想像して。。。
代表とヤってるのバレたくないから新とはタチしかしないのが痛い。なんでやっちゃったんだろ?と思いながら喘ぎまくるのが痛い。掘られた身体で好き好き言いながら新を抱くのが痛い。性欲と愛情の板挟みで自分では身動き取れないくせに更に盛るのが痛い。
コレ苦いのテーマじゃなく痛いのテーマじゃね?
さて、バレました。最悪な形で。
一連の新の言動が慟哭なんです。一瞬ガーっと頭沸騰して「忘れた」で目が座る。頭が真っ白になるくらい様々な感情が一気に来ます。すっごい見所。
対する夏樹の恐怖が凄い!映画だったら主演男優賞間違いなし!ここ10回は往復して読みました。
この後は新の愛の深さに悶絶するばかりです。
「ぶかぶか」なので夏樹が流された訳を、多分後で察したんだと思う。夏樹が負った怪我の数倍も新は痛い。痛いまんまなのねずっと。夏樹もずっと痛いを抱えていく。それでも愛してるってのが、もうすっごく切ない。新が部屋を出て行く所で一番泣きました。
消えない「痛い」が「苦い」に変化しても、忘れずに抱えて2人でいるんだろうなと思います。。。
【浮気→絶対許せない】としか思えない方は読まないでください。
人間はダメだと思っても抗えない時があると理解してからお読みください。往々にして失敗した方が後年強くなったり優しくなったりするするものです。
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