君が僕らを悪魔と呼んだ頃
」のレビュー

君が僕らを悪魔と呼んだ頃

さの隆

深いお話でした

ネタバレ
2021年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても重く考えさせられる内容で、作者さんの伝えたかったこと、読者にといかけたかったことが、中学生時代から没後まですべてをとおして描かれていました。
中学時代の内容や描写はなかなかキツく、さすが[悪魔]とよばれるだけあるものでした。ですが成人後に表現される[悪魔]もまた、違う意味で直視しにくいものでした。
正義の名の下に悪魔になる。誰でもありえることだし、自分がならないともいいきれない。悪魔と呼んでいた人たちもまた、悪魔になるのだなと。
ハッピーエンドにはならないことは最初からわかってはいましたが、主人公には幸せになってもらいたくないが、一ノ瀬さんには幸せになってほしかった。その気持ちがまた、私自身の中にある、かつて酷いことをしたお前が幸せになるのは嫌だという主人公への差別なのでしょう。
今の自分の年齢で読むのと、学生時代に読むのではまた感じ方が違っただろうなとおもいます。若い方が読むにはきついかもしれません。
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