触らないで、抱きしめて
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触らないで、抱きしめて

繊細でセンシティブなお話

ネタバレ
2021年10月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 繊細な作品を描く作家さんの、これまた精神的かつ家族間の問題を抱えた、今回のお話でした。面倒くさい、理解できない、関わらないでいよう、ではなく、自ら問題を抱える鷲園くんに歩みより、鷲園くんの望む「普通」に、恋人のそばにいられるようになりたい、少しずつ耐性をつける協力をする梅谷くんの姿に忍耐力と鷲園くんへの愛を感じました。鷲園母も親としたら当然のことをしたまでなのかもしれません。でも、それが当人にとってよいことであるとは限らず、ただの自己満足に過ぎなかったのかなと思います。せめて病を理解しようとしてくれるだけでも鷲園くんの心の傷はあそこまで深くなることはなかったでしょう。本当なら一番近くにいる家族がその役目を果たすべきなのに、家族の代わりに梅谷くんが埋めて、傷をいやしてくれました。キスもできないかと思った二人でしたが、梅谷くんと一緒にいて、改善のみられる鷲園くんと──お幸せに!
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