いびつ
」のレビュー

いびつ

岡田和人

1話切りしないべき

ネタバレ
2021年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ だからなんだと思われることを承知で書きますが、この作品は駅で物語が始まり、そして駅で終わっています。
マドカと柿口さんのいびつな物語を自然と思い出す、見事なリフレインです。
この作品の本質は、人と人との間に生まれる「歪み」にあると感じます。
そしてこの歪みこそが、人の一種の美なのだと気付きます。
最終話のプラットホームを見ることでストーリーがフラッシュバックし、性的な描写さえも美と、
そう感じてしまっている自身の心もまた作品に取り込まれて歪みを生じたのだと解ります。
それとも、もともと歪んでいたことを作品が気付かせてくれたのかもしれません。

正直初めは僕もエロ目的で購入していましたが、エロいことが起こると思って全巻購入を検討している方は、もしかしたら別の作品をあたった方が良いかもしれません。
しかし、もし人の歪みを見たいと少しでも思ったことがあるならば、本作品を最後まで読むことを強くお薦めします。
文句無しの最高評価です。
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