いつくしむ、さを鹿の声【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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いつくしむ、さを鹿の声【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

春之

友情と恋愛と、全てひっくるめて大切な存在

ネタバレ
2021年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 傷を抱えたまま8年間。陽介にとって、どんな時間だったんでしょうか。
引退試合前日にフユに怪我をさせてしまい、引退試合を欠場せざるを得なかったフユ。フツーに考えても陽介の立場はツラいと思いますが、陽介はフユを特別大切に思っていて。〈フツー〉の人が考えるようにはいかなかったからのフユとの8年間の疎遠だったんでしょう。一方的に壁を作られたフユの方はたまったもんじゃないとも思いましたが。
昔の個人的な経験からですが、中堅を担う選手の欠場は、試合をする上で勝敗に響くんです。
引退試合で中堅を担うフユが欠場ってことは、試合結果は厳しかったんじゃないかな…と、思っていたら、5話の表紙に結果が出てました。優勝旗もトロフィーもなく、賞状とメダルでの記念写真。
フユが中堅で出ていたら、優勝旗を狙えたかもしれない試合内容だったことが伺える写真でした。
引退試合直前に怪我をさせたことのみならず、勝てたかもしれない大勝負を逃してしまったフユや部員たちへの申し訳なさなど、主将としての陽介のぐちゃぐちゃな心の内が垣間見えた1枚だと思いました。
笑顔がなかった陽介。他の部員は精一杯やった後の笑顔だったのでしょうが。陽介は自分が許せなかったのかな。それでも写真を額に入れて目の届くところに飾っていた陽介。未練…?印象に残ったワンシーンでした。
2人の縁を取り持った後輩カップルに足を向けて寝られませんね♪ 描き下ろしの2人がとっても仲良しで。微笑ましかったです(*´艸`)
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