嫉妬は愛を曇らせる【単行本版】
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嫉妬は愛を曇らせる【単行本版】

汀えいじ

う、うーん……?

ネタバレ
2021年10月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単行本にまとまるのをずっと待ってました。
歌舞伎町バッドトリップがとにかく良かったのでこちらもワクワクしながら読んだんですけど、全部が全部中途半端で消化不良というか……描きたい物ややりたいことはなんとなく伝わってくるけれど内容が登場人物の心情に寄りすぎてて、全体的にふんわりしてます。
まず攻めが、とにかくチョロくて情緒不安定すぎる(苦笑)
最初は来る者すべてを傷つけるナイフみたいな男で受けにレ◯プ紛いのことまでしたのに、次の瞬間にはもう受けのこと好きになってしっかり依存してて「ええ……?」というかんじ。あとあれだけピアノやめるやめる言って部屋からピアノまで片しておきながら最後には生徒さんにピアノのレッスンつけてて笑ってしまった。いや、辞めてないやん(笑)
そして受け、何に対しても興味が薄く、たまたま連れられて行ったコンクールで攻めの演奏をみてピアノを始めたというところまでは良かった。ただ、その攻めとの接点ができてからがちょっと支離滅裂だったなぁ……。どう見ても憧れの範疇を超えているし、実際あれこれ許しているのに「何も求めてない」は無理があると思いました。最後には「先輩は僕を分かってない。僕は興味あるものが少ないからそれは全部手に入れたい」的なこと言っていたし、いやいやどっちなん……?と。
そして、攻めがピアノを続ける理由でもあったお母様が亡くなってすぐに再婚したという攻めの父。結局なにを思って息子にどうして欲しかったのか分からないままおわりました。私の読解力が足りなかったんですかね……。
そして時々でてくる攻めの友人のような男。とくにモブとして仕事をするわけでも当て馬になるでもなく、ただただ情緒不安定な攻めにキツく当たられるかわいそうな男でした(笑)
結局才能があったのは受けの方で、成功するのも受けの方で。攻めはピアノを辞め(てないけど)、海外で活躍する受けの帰りを健気に待ち、嫉妬は愛を曇らせ……てないよね?
攻め、受けに依存しまくり愛しまくり。受け、攻めを盲目的に愛しまくり。というお話でした。
私はものすごーくモヤモヤしたけど、このモヤモヤが好きという方もきっといるからBLは奥が深いですね(オチ!)
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