岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな
」のレビュー

岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな

岸虎次郎

機にかないて語る言葉は…

ネタバレ
2021年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォロワーさんが続けておすすめされていたので立ち読んだら戻れなくなりました。
カテゴリーは青年マンガですが、やっぱB✖️Bの「冗談だよ、バカだな」ですね(ニッコリ)。
見開きのハミチ○コにドキッとしたのは私だけなんて言わせません、ああ言わせませんとも!
未熟なソレが修正無しで目の前に差し出されています。
巻末の弍でソレがああなった時も修正無しなんですよ!?

これだけだとただの変態レビュアーになってしまいますので、「葦原」についても。
育ちの良さげな文学少女たちのエロチズム未満なのですが、キッカケとなる斜陽の引用を敢えてあの部分にしたのは、斜陽の作中人物のかず子曰く「不良」に倣ったように感じてしまいました。
没落華族のあられも無い行為を何の恥じらいもなく引用しているあっけらかんさと、足元に残る飛沫のひとしずくが、妙にザワザワした心持ちにさせます。

他、失恋した女性が年端も行かぬ少年をからかい、この後の展開に想像を馳せる「オフィーリア」
化学教師に懸想して、狂った恋心をぶつけるちょっとホラーなんですけど?と思っちゃった「わたしのだいすきなせんせい」

以上、4つのエロに傾く瞬間を情感豊かに詰め合わせた短編集でした。
銀の彫刻物に金の林檎のような逸品ではないでしょうか。
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