窓辺の君
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窓辺の君

雲田はるこ

愛しい短編集

2021年10月10日
雲田先生初コミックスは短編集。どの作品も愛しい人たちでした。
登場人物が誰も彼もみなちゃんと生きていて、この人たち、生みの親の雲田先生に愛されてるんだなぁって胸が熱くなるほど。ゲイとノンケ(バイ?)のままならぬ恋に泣いたり笑ったりでした。
表題作、「窓辺の君」に焦がれる大学講師に、なんだか泣いてしまった。窓辺の君は雲田先生の設定では実家が牧場らしいんですけど、遠目に見るのとは違って開けっ広げで、あーそんな感じ!繊細な薔薇を作る彼を大事にしてね。

胸が痛んだのが「あなたには言えない」とその過去編「だいだい色に溶けあう」。これは大好き。結ばれなかった2人。どうにも出来なかった恋。

主人公たちが読み手の心に優しく住み着く、素敵な短編集です。あとがきで先生が「まんがの国Japan」って書いていらして。本当にそうだなぁって幸せな気持ちに。
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