最後の三月【分冊版】
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最後の三月【分冊版】

つくも号

独特の雰囲気

ネタバレ
2021年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●分冊版の1巻のみ拝読しました。立読みや、合冊版のレビューも拝見して、独特な作風の作者さんだなと感じられたので、逆に「独特になりにくそうな」1巻を選んでみました(大学生/サラリーマン)。多分作者さんの真骨頂は2巻の『満つる月の下』や4巻の『最後の三月』あたりなのだろうなと思います。(なのでそちらを読めばよかったかも。)
●『ぐるぐる〜』24P。学生の両片想いもの。よく見る感じ。康平が冗談ぽくハルの唇に触れる場面が好き。お互いずっと言わなかったわりには、熱に浮かされたハルがぽろっとこぼした想いを康平がわりとあっけらかんと受け止め返していて、そのままトントン…という感じでした。
●『あなたに〜』20P。「暗闇」の表現に少し妖しい感じが漂ってて良いです。と言ってもこの作品では「居酒屋とそのトイレ」なんですけど…。仄暗く、表情もよく見えない中で交わされる会話や触れ合いがいやらしい。後輩の高槻は闇の中でポツポツ灯る明かりのようで、堅物な先輩遠野の壁をぶち破っていくのでしょう。
●ありがたいことに合冊版を買うのも分冊版を全部買うのも価格が同じなので、機会があれば他の作品も手に取ってみようと思います。
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