泡沫の鱗
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泡沫の鱗

ソライモネ

凪超カワイイ!思いっきりネタバレ⬇︎感想

ネタバレ
2021年10月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルと表紙で人魚モノだと思ってしまったスレた大人ですごめんなさい。
出だし鉄太の5年前の回想で、失くした声を取り戻すお話だと確信してしまって再びごめんなさい。
そんなピュアとは全く無縁の私でも、今作はすっごく楽しめました!

基本ファンタジーは避けています。BL自体がファンタジーなのに、もいっこ御伽噺を上乗せしてどーすんだよと思っている節があります。
しかし共感するレビュアーさんが大絶賛しているのです!
試し読みなく購入したチョロい自分を、今回は良くやったと褒めています。

まずは表現力!!!。
凪いだ海、うねる海、跳ねる水、纏わる水、溶ける泡、弾ける泡、バブル、バブル、バブル!
感情と状況のみならず、声と音まで海と水と泡で表現されています。
手数の多い作家様にありがちな、ごちゃごちゃ感は無く、あくまで良質な絵本のようなページが、惜しげもなく怒涛に展開します。
泡も水もないページですら海を感じてしまうのは、凪自身が海の象徴のように描かれているからかしら?

あー、凪、いいですよね。かわいくて美人で可愛くてかわいい!脳内で100回はぎゅううぅぅってしました。だって出てくるたびに可愛いんですもの。儚かわいいポジション優勝です。(鉄太に嫉妬!)。
そう、人物が魅力的なんです!
拗らせて身動き取れなかった鉄太が凪をキッカケに真っ直ぐフル回転して目標に突っ走る姿よ。
ナギと鉄太を控えめながらも全力で支える凪父よ。
ウザいけど良き理解者で電熱グループT着てたもじゃくんよ。
依頼をじゃけんにされたのに結局鉄太を応援してしまう関くんよ。
そして奏が切ないよなー。
そんな愛おしき脇キャラ達がいい感じで盛り上げているので、メインの2人は存分に愛し合える!
え、愛し合ってないって?
いや最初っから2人の間には好きしか存在してないでしょ?

そしてやって来る急展開!
この持っていき方が最高に滾った!
え、なに、ちょ、待って!を味わさせて頂けてありがとうしかない。

最後は人魚姫のお話より切ないけどハッピーだよね。
愛する人が自分の一部となって常に居てくれるのは愛の最終形態だよね。
でもなー、触れないんだよなー。そこはやっぱ悲しい。
けどお話的にはベストなのよねー。
と、悶々させていただいている事にも感謝です。
面白かった〜!!
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