このレビューはネタバレを含みます▼
母が宗教に、父がアル中、自分の家のことかと思いました。熱心に信仰していても、本人も家族も救われない。依存症になり、家族を怒鳴り続け、迷惑をかけ続ける父親。いくら地獄でも子どもには、どうにもすることもできない状況です。こういった機能不全家族は、今の世の中でも周囲からは気づかれにくいものです。もっと、宗教や依存症にハマってしまう人たちがどうしてどっぷり沼にはまってしまうのか、そういった親をもつ子ども(心の傷を負ったままの大人になってからも)の心のケアや支援がある優しい世の中になればいいのになと思います。いわゆる毒親と呼ばれる人々も、はじめからおかしくなっていたわけではなく、人間です。宗教にはまり、依存症になってしまうのには本人たちの問題だけではなく、そうさせた社会のせいもあるかと。だからといって、子どもに何をしてもいいわけじゃありません。家族みんなが救われるような制度が日本にあればいいのにな、とこの本を読んで改めて思いました。