トワイライト・プレイラバー
」のレビュー

トワイライト・プレイラバー

楢島さち

伊織が健気過ぎて泣けるんです

ネタバレ
2021年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 伊織は高校時代に育ててくれていた祖母がなくなり、それを慰め励ましてくれていた友人の敦。
伊織が両親がいなくて、とうとう一人ぼっちで寂しくて寂しくて仕方ない時に励まし側にいてくれた友人に好意を抱いてしまう。
でも、敦はゲイで彼氏だった相手に捨てられ、人が変わったように恋人がいる相手にちょっかいを出しては捨てる行為を繰り返して、それはきっと恋人に捨てられて寂しくて仕方ない気持ちがそういう行為に表れていたんだと思います。
でも、敦には孤立してほしくない、人に悪意を向けられて欲しくないと思う伊織が側にいてくれてから、敦が少しずつ前向きになっていたし助けられていたんだけど、敦が伊織に好意を抱いて高校の卒業式の時に告白しようとしたのに、それを伊織は拒絶してしまって・・・。
もし、受け入れてもいつか自分が捨てられたら生きていけないと思い込み苦しんだ伊織が不憫でした。
一人ぼっちは寂しくて仕方ないのに、敦の事が好きで仕方ないのに好意を受け入れても捨てられる未来になってしまったら・・と考えていた伊織。
又、敦も大事な人から拒絶されていた過去が2回と、伊織に拒絶されてしまった1回。
どれだけつらかったか・・。好きな相手に拒絶されたら、傷が深けれは深い程苦しくて切なくて自分はいらない存在なんだと思うようになっても仕方ないと思います。
でも、伊織も一人ぼっちになって寂しくて寂しくて仕方ないことを知っていたから、敦は拒絶されても伊織を嫌いになれなかったんだと思うし、再会して拗れた関係になってしまっても諦め切れないから、伊織がいつか受け入れられる気持ちを少しでも持ってくれたらと、ずっと待っていたのでしょうね。
でも、敦が伊織に歩みよって自分の気持ちを告げてくれて好きだといってくれて、それで伊織が素直に受け止めてくれて、お互いに好きだった事でその想いが報われて本当によかったと思います。
伊織が凄く健気でいとおしくて、ずっと敦への想いが忘れられずに苦しんだ想いが好きに変わって・・・。
もう敦が伊織に好きだと告げた辺りから、読んでいて涙が止まらなかったです。
伊織の感情が読んでいて流れ込むようで、読み手に感情が伝わる作品を描かれる作者さん凄いです。これからも応援しているので、続き楽しみにしています。
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