ブルーノート【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】
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ブルーノート【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

束原さき

表題作と短編がひとつ。どちらも美!

ネタバレ
2021年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ あらすじと綺麗なカラー絵に惹かれて購入しました。ある出来事から転落し、現在は男娼のようなこともして生計を立てている元ピアニストの青年と彼を見そめる若き実業家の恋の話。攻はあくまで受が奏でる「音」に惹かれているから、ということで、そっちの意味の専属契約云々の話ではないです(笑)。
読んでいる間、ときどきクラシックやジャズの音色が聞こえてくるような感覚に。夜が似合う大人の物語。奏くん(受)の場面は主にノクターン。ずっと凍えていた夜の月だけど、それをあたため癒してくれる太陽に出会えて本当によかった。光をちゃんと追いかけていてよかったね...と、美しい作品との邂逅に幸せな読後感に浸っております。
物語に深みがあって、ふとした瞬間に魅せる人物の目の表情がなんとも言えず美しくて...。とにかく絵が綺麗でラブシーンはしっとりと官能的。ピアノの上で触れ合う場面はエロティックと美が溢れていてとてもお気に入りのシーンです。
音大在学中の失恋から転落、大事なコンクールをバックれて大学も辞め一転して貧困に陥ってしまった奏くん。「えっ」と思うような展開だけど、現実には案外そういうこともあるかもしれないと思わされる作品でもありました。表題作のほかに短編も一つありますが、こちらも素敵にまとまっていてよかった。
どちらのお話も続きがあるなら是非読ませていただきたいです。こんな美しいお話に出会わせてくれたキャンペーンに感謝です。
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