羊の皮を着たケモノ【SS付き電子限定版】
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羊の皮を着たケモノ【SS付き電子限定版】

九號

もはや文学作品の域

ネタバレ
2021年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューの高さと、「放蕩息子」の感動から、購入を決めました。
あらすじ程度しか見てなくて、予想のはるか斜め上を行く展開にドキドキして一気読み。
すごい!劇画というのか。無音の映画のようなコマ割り。かっこいい。作者さんのセンスの良さを感じました。
読後感は、スッキリ・・というより、もう終わりなのー、もっと堪能したかったー!という感じで。

再度振り返ると、辰巳が大地に対してだけは、曖昧だけど特別な感情を当初から見せていて、ただのカモとして扱っていないから本人の人格や生い立ちを垣間見せていた事が推察できます。
クラブで大地が殴られた傷を見て怒り狂ったシーンとセリフにキュンとなりました。
そこから4年。。
無償の愛にも近い、大地の想い。
辰巳が病院で目覚めるシーンにじんと来て、何度も読み返してしまいました。
辰巳の、大人達に傷つけられ、救いのなかった子どもの人格が、大地によって癒されていく様子が感動的です。
辰巳がどんな風に変われたのか、二人の生活がどのように続くのか、、後日談をぜひ読みたい・・。
先生、続き、描いて下さい・・。
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