【単行本版】ヘタレと馬鹿たれ
」のレビュー

【単行本版】ヘタレと馬鹿たれ

秋好

悲しい気持ちになりました。

ネタバレ
2021年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても好きな絵柄なので単話売りの時から気になっていました。
1冊に纏まったことを知り、ついでにクーポンもあったのでレビューも見ず強気の購入(?)したことが仇となりました。
攻めも受けも、恋の自覚から付き合うまで、すべてにおいて雑の一言に尽きます。
他の方もレビューで書かれていましたが、これでエロがあればまだ多少は報われた感もありますが、抜き合いさえ無し。
唯一のキスシーンは攻めが「仕方なく」してやってる風。
脇役として登場する相談役のような教師は前後の話がまったくないので漠然と教師という情報しかなく、当て馬の腹黒彼女は当て馬として機能しておらず、ひたすら寒い……。
長い片想いの末に攻め目当てで受けと付き合うものの、思惑がバレて、攻めに相手にもされず、挙げ句の果てには「私を振るなんて馬鹿な人」とは……な、何様なんだ……?というかその捨て台詞が許されるの昭和までじゃ……?
内容がない、キャラクターが魅力的じゃない、エロがない、ラブもない。
本当に絵柄が好きなこと以外何ひとついいところがありませんでした。
厳しいことを言うようですが、今のままの構成力でしたら作者さんには二次創作の方が向いている気がします。それか担当さんなり編集さんなり、きちんとここをこうした方がいいだとかアドバイスをしてあげて欲しいです。商業においてエロが描けない(もし描けるならなぜ入れなかったのでしょうか…?)というのはわりと致命的ですし、描けない(描かない)ならそれをカバーするだけのストーリー性とキャラクター設定が求められます。
一読者でしかない私より、プロの方々の方が商業BLというものを熟知していると思います。魅力的な表紙や絵柄、おもしろそうなサンプルで釣った一度きりの購入で売上を得られればそれで満足なのでしょうか……?
BLが大好きなので、酷いデビュー作にあたると本当に悲しい気持ちになります。未来ある作家さんを殺すことなく、上手に育ててくれることを願っております。
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