同人女百合アンソロジー
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同人女百合アンソロジー

大沢やよい/伊月クロ/くもすずめ/ヨルモ/ゆあま/めざし/雨水汐/散田島子/つつい/桐山はるか

同人女はクソデカ感情を抱きがち

ネタバレ
2021年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 同人誌即売会に参加する女性達が同性に対してクソデカ感情を抱く百合漫画アンソロジーです。
『百合』といっても恋人end一歩手前みたいな作品もあります。全作品ハッピ一エンドです!(※重要)

ヨルモさん
オタクっぽくないギャルがかわいいロリ系絵師だった話。
男性向けジャンルは結構女性の方が多いのであり得ない話ではないなと思いました。

雨水汐さん
隣のサ一クルが昔付き合っていた女性だったという話。タイトルそのままです。
この作品はタイトルがギャグ寄りっぽく見えますが、中身はやや切ない寄りのほのぼのだと思います。
同人女を題材にした漫画はたくさんありますが、描いている方が絵描きさんなのもあり、小説サ一クルを題材にした作品はまだまだ少ないと思います。
私自身も小説同人誌を出したことがあるので共感できる部分がありましたし、なにより2人の関係性が良かったですね。好きなところが似ているからこそ、相手を好きになるのが自然であったかい気持ちになりました。

散田島子さん
突然、自分のファンであるお嬢様からお金を振り込まれたり同人誌を作ったりする話。
創作すると、自分への評価を気にするあまり簡単に自信をなくすことは珍しいことではありません。
この作品はそんな創作への自信をなくした方の背中を押してくれる作品だと思います。
売れなかった新刊にへこんでいる主人公を同人初心者のお嬢様が褒めてくれるシ一ンはぜひ見てほしいです!
主人公からしたらあんなに素晴らしいと感じたお嬢様の同人誌が15部しか売れてないことを知り驚きますが、これはお嬢様から主人公に対する評価も同じことなんですよね。
自分の作品を良いと言ってくれる存在は本当にありがたいので主人公がほっとした顔になって私も安心しました。

つついさん
他人の評価を気にして万人受けするように同人誌を描いている女性のお話。
掲載作品でも暗めの話。新刊感想会は誰かと交流していれば他の方が「誰々さんの作品良かった~」と話をすることはあるので、ちょっと複雑な気持ちになりますね。
承認欲求の闇が垣間見えましたが、人間関係がリアルで引き込まれました。
神絵師ユ一チさんのメンタルの強さにビビりましたが、だからこそ変わらず声をかけてくれる彼女に嬉しくなるという最後のしめかたも良かったです。
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