サハラの隻眼狼【コミックス版】
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サハラの隻眼狼【コミックス版】

五月女えむ

「サハラの黒鷲」スピンオフ

ネタバレ
2021年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ もう結論からお話させて貰いますと、大変秀逸、大変良かった!作家買いします。

昨今のSNSを使った手軽な出会い(大好きですよ)やら、道端で拾った(これも大好き)やらライトなBLが多い中、砂漠の国 恋を知らないイングルと一生に一度の片想いビャクのお話です。
言わずもがな一途な純愛です。
この世界観に嵌まると抜け出せない。

何ともビャクが健気で…。
イングルに少しでも振り向いて欲しい、少しでも見て欲しい。
でもイングルはロキとトールしか見ない。自分には眼中に無く100%望みがない。
だからわざと喧嘩を売ったり、ロキ達を巻き込んで依頼や報酬という形で肌を合わせる。

相手に気持ちが無いと分かっているし、虚しく成るだけなのに触られるだけで「夢みたい」とか「嬉しすぎる」とか…こんなのビャクを応援するしかないじゃない。
蛇のザザと村の皆も応援してるよ!

ずっとコンプレックスを持ちながらロキとトールを守ることが指命として頑なに生きてきたイングル。
人と違う事は武器だ と自然に断言出来る陽の様なビャクに、イングル自身も過去の陰のコンプレックスを昇華 救済させるストーリーに感動しました。

ビャクが出会いから惹かれ合う過程も確り描かれていて、イングルは2人にしか眼中に無く無表情だけど皆に平等に優しい、そこに惚れる。人間の本質に気付けるビャクこそ素晴らしいと思う。

こちらからでも楽しめますが、やはりサハラの黒鷲からの方が深みが違います。ロキ、トール、イングル3人の関係性は特に読んだ方が納得しますね。
小さいロキとトールが可愛かったー!ロキ赤ちゃんが揺ながら笑顔になる、ほっこりした。

あとね、エロが物凄くエロくってイングルの褐色の肌と色素薄目なビャクのコントラストがエロい!
2人の背景と心情が説明されて感情移入しているのでエロが心にドスンと来た。
個人的な感覚ですが萌えると、心臓を擽られ手足に広がるような状態になるのですが、この作品では何度も擽られ、もう本能が満足。

ラスト賛否両論有りますが、個人的には大満足です。寧ろビャクは良くココまで心に入り込めたなと感動しました。
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