ロマンティック
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ロマンティック

西田ヒガシ

イラストに触れたくて初めて紙で購入したBL

ネタバレ
2021年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★単身で内線の地にやって来た日本人・前田とその地で反政府軍ゲリラのリーダーとして戦うジョンの紛争地ストーリー。

★前田はオンラインで日本語を教えていたララという少女に会うために内線の地へ赴く。そこで、反政府軍のジョンと出会い、ララの元へ送り届けてもらうことになり…。

★生と死の狭間で人を愛する人がいる、愛し合う2人がいる、という目の前の物語に胸が震えます。難しく考える思考を投げ捨てて、「愛だけを心に抱いて目を閉じたい」という想いに酔いしれたいです。どの時代であっても、どんな境遇であっても、人は人を愛する。それこそが、究極の「ロマンティック」ではないだろうか、と私は思いました。何度も何度も読み返して至った私の答えです。
自分の中で物語の着地点は得ましたが、紛争等々については、考え続けています。それらに関しては、特に2つの言葉が印象的でした。ジョンの「何かを信じろよ」と「命を守る美しい武器~第一歩だ」です。誰もが、最初は信じるもの、守りたいものがあっただけ。そして、信じるもの、守りたいものがある者同士が殺し合う。人は「誰か」を「何か」を愛することができるのに、どうして人が信じるものを破壊し、守りたいものを奪うのか…。読み返す度、自分に問います。

★描き下ろし含め180ページ。0話で、この物語がこれから始まっていくのだなと、今まで夢かうつつか分からなかった世界が、現実味を帯びました。特殊な能力や不可解な出来事が起こる設定に惑わされましたが、それを受け入れてしまえば、とてもスッキリとした読み口になります。

★表紙、話表紙すべてのイラストが素晴らしく、額に入れて飾りたいです。
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