狐のよすが
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狐のよすが

ミナヅキアキラ

はぁ~もう何て素敵なお話!!

2021年10月27日
素敵なお話過ぎて、読後に感動の溜息が出ます!まず絵がイイ!!日本の山だからなのかな・・・動物たちが全員着物姿で、九重や篤実のちょっと軽快な衣装も、鷹の「師匠」の黒い羽根と一体化した羽織姿もすっごく粋でカッコイイ!!よすがの、ピー助時代のちっちゃい帯と白い着物姿も、いかにも子供って感じで可愛い。衣装だけでもこんなに感動できるのってなかなかないと思うんだよなぁ。
そして始まってすぐに、ハンパないピー助の可愛さにまずやられます。くるりんお目目と、大きな涙のしずく、ごはんを欲しがる時のパクっと開いたお口と、「ごぁんもっと」「あい」「あたかいね、とーたん」っていうセリフ!!!!はぁ~~~~可愛い過ぎる・・・・ピー助のすっごく可愛い声が聴こえる気がするもんなぁ・・・。
ピー助がよすがになってからは、親子ではおさまらない九重への愛がたまらない。繋がりが無いと言われ、つがえないとわかっていても結ばれたいと願うよすが。自らも「無意味」とわかっていても愛しているからよすがを抱いて、その後すぐに別れを決意する九重。どちらもとっても切ない!!そして、九重が自分の半生を振り返るところは、何度読んでも泣いてしまいます。すごく孤独で淋しい人生だったんだなって。
でもだからこそ、よすがと出会えて良かった!!繋がりが無いなんてことはないよ。お互いが繋がりたいと思えばそれが全て。雄同士でも種族が違っても愛し合っていれば立派な“つがい”になれる!!
途中とっても切なかったけど、最後はちょっとコミカルなハッピーエンドでニンマリしてしまうところもイイ!
とにかくホント素敵な話なので、是非是非読んで欲しいです。
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